6.固定費と変動費    ( 図表が見にくくなっています。固定費と変動費もご覧ください。)

管理会計を用いて意思決定を行う場合には、費用を固定費と変動費に分ける必要がある。財務諸表では固定費と変動費という科目は設けていないため、自分で分けることになるが、その見分け方や分解方法は次のとおりである。
(1)固定費
固定費は、売上などの収入に影響されることがない費用で、具体的には家賃や人件費及び減価償却費などである。

(2)変動費
変動費は、売上などの収入に比例し、収入が増加すると同様に増加する費用で、具体的には材料費などの原価や包装費及び発送費などである。

(3)分類方法(固変分解)
固定費と変動費の分解方法としては数種類あるが、ここでは「よく使われ」かつ「簡単」な方法を紹介する。

 

① 費目別精査法
費目別精査法は、企業の業種業態によって一概に分類できないが、過去の経験等により、自分で科目別に固定費と変動費に分類する方法である。売上に連動する費用を変動しとし、変動費以外を固定費とするが、どちらか迷う場合には5:5と仮定して配分する。大雑把であるが、ある程度の合理性はある。

② 高低2点法
高低2点法は、勘定科目が不明は場合に、売上と費用のデータをもとに固変分解する方法である。例えば、次のようなデータがあるとする。

これをY軸に費用、X軸に売上の点を採った散布図を作成し、一番高い点と低い点を直線で結び、Y軸の接点(固定費)と傾き(変動費率)を求める。

傾きは、670-610/900-700=60/200=0.3となる。これを1次方程式で表すと、Y=0.3X+Aとなり、A=-0.3X+Yなので、A=400,000となる。
したがって、売上が700,000のとき、変動費は210,000となり、売上金額に関わらず、固定費は400,000となる。

③ 最小二乗法(最小自乗法)
数学が苦手な方には、最小二乗法がおすすめである。数学的には、高低2点法よりもはるかに難しい微分の計算になるが、エクセルで簡単に表すことができる。

先ほどの散布図をエクセルで作成し、それに近似曲線を表示させる。この時、近時曲線の数式も表示させれば、高低2点法よりもより確実な固定費と変動比率を求めることができる。
ここでR2乗値の数値は、私にも意味はよくわからないが、1に近いほど精緻なものである。
数式は、Y=0.34X+370,000と表示されている。傾きが0.34なので、売上が700,000のとき、700,000×0.34=238,000となり、変動費は238,000となる。
また、370,000が固定費となる。最小二乗法は意味や計算方法が分からなくても、エクセルが使えれば、簡単に表示させることができる。