2.財務会計と管理会計の違い

(1)財務会計
財務会計は、企業の1年間の営業成績を表したものである。つまり、過去の結果を数字で表したものである。
その目的は、銀行借入や税金の計算のためということは先に述べたとおりである。財務諸表を見て、銀行員や税理士などは、「売上をもっと伸ばしなさい。」とか「××の費用をもっと削りなさい。」などと言う事はあっても、「○○して売上をもっとのばしなさい。」や「○○方法で××の費用をもっと削りなさい。」とは決して言う事はない。強いてあげるなら「頑張って」という言葉が○○にはあてはまるのではないだろうか。
学校の成績表を見た親が「もっと勉強しなさい。」言うのと同じである。
財務会計では、結果しか見えてこないから、それはそれで仕方のないことでもある。財務会計で作成した財務諸表では、今後の経営判断はあいまいな「去年よりも頑張る。」くらいの事しか言えず、具体的な法方が見出せないのである。

(2)管理会計
財務会計を学校での成績表に例えて志望校の話をした。管理会計を同じように例えると、校外での模擬試験の成績や自分の学校のレベルを知ること。また、受験に備えた勉強時間の割り振りなどがそれである。なお、学校の先生は、企業でいうコンサルタントである。先生は、学校での過去の経験に基づき、学内での順位を他校の生徒との比較に用いることができるのである。志望校の決定については、「今の調子で頑張れ。」とか「もっと努力が必要。」とかの助言ができるのである。
しかしながら、あくまでも助言の内容を判断し、頑張るのは自分自身である。極端な例をあげるなら、たとえば、ある生徒が先生から、「不得意科目については、毎日あと1時間多く勉強しろ。」と言われたとする。この生徒は、毎日不眠不休で勉強していたとすると、1日が25時間無いと勉強時間を1時間増やすことは不可能である。
それでは、この生徒が、得意科目を1時間削って、不得意科目を1時間増やしたならば、先生からのアドバイスは実現可能である。このように、自分のために自分で判断をし、計画を立てるための判断材料が管理会計である。
他からの助言はあくまでも助言であって、実行するのは自分自身であることを忘れてはならない。どんなに立派な計画があっても、それを実現できなければ、「絵に描いたもち」である。
財務会計は、過去の実績を数字として表したものであるため、過去会計と言われることもある。その一方で、管理会計は、過去の実績を基に、将来の目的に向かって、それを実現するための戦略をたてる意思決定に用いる会計であり、未来会計と言われることもある。