5.埋没費用(サンクコスト)
埋没費用はすでに支払った費用で、今後回収することができない費用のことを言う。管理会計では、機会費用とともに非常に重要な費用の概念の1つであるが、埋没費用は意思決定に影響を与えてはならない費用である。

先ほどの洋菓子店で例えると、店舗改装工事が150万円支払ったところで、ティータイムの常連のお客さん10人の会社が移転することが判明したとする。工事を進めれば、残り50万円の支払が生じるが、ここで中止すれば50万円支払わずにすむ。
ここで考えるのが、工事の継続か中止かということになる。工事を継続した場合は、代金の50万円の支払が生じるが、売上に係る利益は現状のままである。工事を中止した場合、50万円の支払は生じず、利益も現状のままである。

工事の継続 → 工事費50万円支払 → 利益0円 = -50万
工事の中止 → 工事費0円     → 利益0円 =   0

すでに工事代金150万円を支払っているが、これは、埋没費用として意思決定に影響を与えてはならない。通常はもったいないと考えてしまうが、この「もったいない」は厳禁である。心情的には理解できるのであるが、工事を継続した場合と中止した場合を比較すると、継続した場合には、新たに50万円の損失が生じることになるが、利益の額は変わらない。このため、工事は中止すべきである。このように回収できない費用のことを埋没費用という。