1.会計の重要性

企業会計では、決算書を作成するために、日々の取引を記載している。決算書は、財務諸表とも呼ばれ、貸借対照表や損益計算書などから成り、貸借対照表は決算時点の企業の財産の状態を表し、損益計算書は1年間の収支の総額を表したものである。その作成は、投資家からの資本注入や銀行からの借入及び税金の計算を目的とし、会社法や税法などの一定のルールに基づいて作成しなければならないこととされている。この一連の行為を財務会計という。

企業では、日々の取引を帳簿に記録し、売掛金や買掛金などの資産や負債の管理を行う。これを行わないと「どんぶり勘定」と成り、資金繰りに窮し、黒字倒産となりうる場合もある。
また、中小企業であれば、財務諸表がしっかり出来ていないと、企業の信用問題となり、金融機関からの借入もできないことがあることに加え、納めるべき税金の計算も出来ないようになってしまう。この税金の計算のための会計は税務会計とも言い、財務会計と税務会計を併せて制度会計という言い方もある。

予断では在るが、現在の企業で、ビジネスパーソンに必要なものは、「会計」・「IT」・「語学」の3つと言われている。特に会計について言えば、福澤諭吉の「学問のすゝめ」にも、「帳合の仕方」、「算盤の稽古」つまり「簿記」を学び「算盤の練習」をしなさいと記載されている。これは、和歌や古文などの趣味的なものは後回しにし、簿記などの実学的な学問を奨励したものである。明治の初期であれば、当時の「算盤」も現在の「パソコン」ということができるのではないだろうか。

会計は、企業の成績表であると言われている。この財務会計で作成した財務諸表を学校での成績表とすれば、貸借対照表は学年末の順位となり、損益計算書は1年間の試験の総得点ということになる。学生の1年間の成績の結果を表したものである。

学生であれば、この成績表を基に、合格圏内の志望校を決めることになる。
しかしながら、はたしてこの成績表だけで、合格できそうな志望校を決めることができるだろうか。この成績表は、あくまでも学校内の成績であって、他校からも受験する生徒の成績などは全く考慮されていない。つまり、学校内の成績は確認できても、比較すべき他校の生徒を含めたところの成績は不明であるから、志望校を決めるのは自由であるが、合格圏内の志望校となると、その決定は不可能である。
この合格圏内の志望校やこれに合格するための受験勉強の時間や科目を決定するための判断材料が「管理会計」ということになる。